日々-31

 

とある1週間の日記。

 

30.-----

新生活。島では古民家の寮で暮らす。必要最低限の備品に、殺虫剤だけがやたらと充実していて気になる。いろんなアドベンチャーが待っていそうだ。

共に暮らす同居人は2人。ひとりは、同県出身で年もひとつ違い。ここにきた経緯の話をして、どうやらわたしと遠くない感覚を持つひとだと安心した。趣味は、ごはんを作って人に食べてもらうこと、だそう。
初日からそんな話ができたのも、わたしが部屋で片付けをしているときに早速彼女から入ったLINEがきっかけ。「よかったら、ごはんを一緒に食べませんか。」「ちなみに、オムライスです。」
島で最初の食事、とってもおいしかった。

 

31.-----

島にはコンビニもスーパーもなく、あるのは島価格の商店のみ。ということで、早速船に乗り買い出しへ。スーツケースパンパンに食料を入れ、さあ帰ろうと思うも船の時間はあと2時間後。さて。休むか。あくせくしても仕方ないよと、生活が教えてくれる。

昨日はあまり話せなかったもう1人の同居人と話す。選んできた道は似ていないのに、どこかが重なる部分を感じてうれしい。なんと、わたしが1年だけ住んでいた場所と、彼女の実家の最寄り駅がどんぴしゃだった。びっくりした。どこかですれ違っていたかもしれない、不思議な縁。

 

1.-----

初出勤。もうすでに、楽しい。職場は立地込みのコンセプトもすばらしく、お客さんの反応もすごくいい。昼休みのお弁当は近くの砂浜で食べた。天国かと思った。
わたしは英語が、課題だ。外国の方が多く、でぃすいずあぺん、で止まっているわたしの英語力では、かなり冷や汗もんである。

夜、別の寮の3人が遊びにきた。同居人がカレーをふるまうの会。みんなでうまいうまいとお代わりして、わいわいといろんな話をして、白熱のゲームをした。島にきて3日目のはしゃぎ方じゃなかったかも、とびっくりしている。これまで選んでこなかった方の青春らしきものが、こんなのもありますよと突然顔を出してきたみたい。

 

2.-----

大雨で霧がかかっている。海と空の境目がぼんやりとしていて、ここだけがどこかちがう世界にういているようだ。

商店の人と話して楽しい。島に誇りをもつ人の気品。ここにはわたしが取りこぼしてきたなにかがある気がする。
夜、風呂の順番じゃんけんで盛り上がる。なにこの生活楽しすぎるんやけど。

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3.-----

初めての快晴。海と空。なんてうつくしい色なんだ。出勤から退勤まで、ずっと景色がしあわせだ。

お仕事3日目、からだは少し疲れてしまったけれど、海にきらめく太陽を見たら、すぐに回復できてしまって、夕焼けを見に港まで歩いた。知らない景色を、自分のものにするかのように見てしまう。でも誰のものにもならない遠い美しさにため息。島の犬の名前を一匹覚えた。

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4.-----

わたしのひらがな英語を、なんとかカタカナ英語レベルに持ち上げ、西洋系女性に、あなたの英語上手ね!と言っていただく。伝わるってうれしい。ただ、伝わったのは内容より必死さ、かも。ゲストに気を使わせてしまったかとは思いつつ、すてきなコミュニケーションをなさる方だった。わたしもそうありたい。Englishも話せるようになりたい。

 

5.-----

連勤最終日。我ながらよくやったと思う、なんて、寮の仲間と労いのお菓子パーティー。パーティー開けポテチなんていつぶりだろうか。普通の駄菓子がめちゃくちゃ美味しく感じる。

同居人が楽器やりたいと言い出すので、食い気味に何やるのか聞くと、実は弾けないギターを持ってきたと言い出す。なんやて!?てな訳で、早速ギター借りて突然はじめるミニ演奏&ミニ講座。島を出るまでに弾けるようになりたい、とのことで、ぜひ一緒にやろう!!と盛り上がった。ここに来るべくして来たような気がしてしまう夜。