日々-45

 

とある7日間の日記。

 

5.-----

島to島!寮の全員で日帰り島旅。レンタカーで大きめの島をめぐる。景色がいいドライブは気持ちが良い。久々に信号のある道を運転してテンションがあがる自分に、今の島生活に染まっていることを確認する。
お猿の住む山を歩き、土地ならではのご飯をいただき、こだわりのジェラードをシェアする。おまけに醤油蔵の見学をして、醤油のテイスティングをさせてもらった。誇りを持って仕事をしている人に出会えると背筋が伸びるし元気が出る。丁寧に作られたものをきちんと味わう、その豊かさを大切にしたいと思った。

もうこのメンバーで過ごすのも残りわずか。なんだか嘘みたいな時間が過ぎる。

 

6.-----

職場にあった冊子を何気なく読んでいると、突然7年前の記憶が蘇ってきた。ずっと行ったことがないと思っていた場所にわたしは訪れていたらしい。なるほど、それなら合点がいく。夢か記憶かわからなくなっていた風景があって、それをもう一度見れるかもしれない。嬉しい反面、記憶の不確かさに寂しくなってしまった。

夜は寮でビビンバを食べる会。そして、夜中まで語り続ける会。この話もきっと忘れる。きれいごとは言わないけれど、けれど、やっぱり出会いこそ人生だと思う。

 

7.-----

1ヶ月半共に過ごした仲間が卒業する。見送りにみんなで港まで。鼻の奥がツンとしたところで、切符売り場のお姉さんが走ってきた。エンジントラブルで船が出ず、次の船は1時間後。なんてこった。涙が引っ込んで助かったけれど、最後まで島らしい。
さ、おかえり!いったん寮に戻り、逆に我々の出勤を見送ってもらう。さみしいな、と思う、けどたぶんここの人たちとはまた会うだろうな、と思う。
出勤時の車内で、誰もしゃべらなかったのははじめてだった。

 

8.-----

日々いろいろと実験をしながら暮らしていて、ここ最近の関心事は経理。目をそらしたい分野だからやってみている。それに伴って買い出しの回数を減らす試みをしていたがタイミングを誤り、お米を切らして4日目。まあ他に食べるものもあるし大丈夫だろう、と思っていたけれど、ご飯がないのは少々気持ちがすり減ることがわかった。麺も好きだが、麺は飽きる。お米は飽きない。例えば、ずっと一緒にいるならを選ぶとききっと、飽きない、がわたしにとっての正解なんだと思った。

 

9.-----

興味が興味を呼ぶのか、最近、自分がたまたま手にするもの、読むもの、聞くものごとが、どんどんつながっていてこわい。大げさにいうと、世界がわたしを受け入れてくれているような気がする、と恥ずかしげもなく書いてしまうくらい。

買い出しのついでに少し足をのばし、古本屋3軒をまわってみた。雰囲気があうところと、好きだと思うところ、逆にそう思わないところは、何の違いなのか考える。そして、どうもわたしは箱に興味があるんだと思い出す。そろそろライブハウスに行きたい。

 

10.-----

数年前に島に移住してきたという65歳の先輩がいる。お話していると、なにかとかっこいいエピソードが飛び出すので、まじすか!かっこいいっす!を連発してしまった。バカなワカモノ丸出しで、反省している。が、かっこいいをかっこいい以外で表す言葉が見当たらない。

 

11.-----

寮の仲間と話していて、そういえば、前話していてこの本読んでる時あなたのこと思い浮かんだんだと、と渡された本は、まさにわたしが読もうと思っていた本だった。そして、ちょうどわたしが読んでいた本の話をしたら、やはり彼女も読んでいる本だった。大事にしているものことを手放さなければ、いつかこうして合流できるはずで、今までも、これからも、ちゃんと出会うようにできてるはずなんだ、と、熱い気持ちを共有する夜。

 

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