日々-46

 

とある7日間の日記。

 

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買い出しのついでに電車旅。たまたま見つけた平賀源内記念館へ。ちょうど最近、人は、なにか1つをやると決めなきゃだめなんだろうか、とあらぬ型にはまりかけていたところだった。やりたいことやりなはれ、という気分に自分で仕向ける旅になった。

 

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上司の異動の報せを聞く。人と人との出会いは、いろんな道の選び方と、その交差点での時間でしかないのかなと思う。

島のマダムにゴーヤのお漬物をいただく。これがうまい。本当にうまい。

 

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楽しいにさえ影を落としてしまう、どこにいても何をしても立ち止まるしかなくなる小さな理不尽はどうしたもんかなと思う。

 

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仕事の合間にいつものパン屋さんへ。どんなパンが好きですか?と聞かれ、パン全般です、と答えてしまう。ダジャレじゃないの。ほとんどが一見さんのお店、リピーターの意見が知りたいとのリサーチだったそう。そこで「ここのパンはやさしい味でいつも美味しいし、わたしはここの空間とか人とか全部込みでこのお店が好きだから来ています」なんてさっと言えず、「どれも好きです、くるみのパンが食べたいです、また楽しみにしてます!」と、初めての作文みたいな定型文を言ってしまった。すてきな人を前にすると照れてしまう癖が治らない。

 

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世の中の三連休を感じる。


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気が向くままに船に乗る。街を歩いていると、地元のお店や農産物の集まるマルシェがやっていた。久々にこういう人の集まる活気みたいなものに触れて、わかりやすく朗らかな気分になる。

気の向くままに電車に乗って、気になっていた土地へ踏み入る。行きたかった喫茶店は臨時休業。三連休なのに。だけど、瀬戸内は少し歩くと海景がきれいで、ついついなんでも許せてしまう。この景色が見れたら、もう満足なんだ。

船の時間まで、気の向くままに自転車で街をめぐる。タイミングが合わずだった古本店、もう閉まっているかもしれない、と思いつつ前まで行ってみることにした。すると、ちょうどお店を閉めようとしてる店主さんと目が合う。「あ、入りますか。」「え、いいんですか。」ぎこちない挨拶をしつつ押し入る。もしかしたら、こうして目が合わなかったら、勇気がなくて入れなかったかもしれない、という店構えだった。息を呑む空間。店主さんは島との関わりも深く、なんだか勝手に縁を感じてしまう。ぱらぱらめくって気になった本を買うと、「あ。これ、今日出した本ですよ」と言われ、たぶんわたしはここに迷い入る運命だったんだと思うことにした。

 

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お客さんに、作品の解説をしてくれませんか、と依頼された。できるだけ会話をしながら、解釈を押し付けないように、できる限りのことをしたつもりだ。が、最後、にこやかなお母様が小さく拍手をしながら「ありがとうございました。上手でした。」とおっしゃった。喜んでくださったなら嬉しい。けれど、感想が「上手」じゃ、まだまだだなと思った。精進します。

 

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