日々-42

 

とある7日間の日記。

 

15.-----
今回の台風は思ったより雨風が凄い。昨日の防災無線の通り、全ての船が欠航となった。買い出しの日にかぶり、2週間島から出られない。好きでやって来たのに、不便も承知でやって来たのに、息苦しく感じるのはなぜだろう。なんて部屋で悶々としていたが、シャワーを浴びると突然視界が開けた。清潔は大事。1週間の食計画を書き出し、乗り切る目処がたった。

 

16.-----
とある美術館のイベントに参加した。知っているはずの景色が全く違って見えて、知っているはずの作品がまた違って見えて、知っているはずの空間で迷ってしまいそうになった。非日常は特別を我が物顔としてくる。淡々とした日常があってのものなのに。でも、わたしはもう、ここの日常側にいるつもりなんだと気付いた。

 

17.-----
休憩時間に寮に戻ったら、家の前に椅子を駆使して干された布団が。こんな干し方ある!?と、めちゃくちゃテンションが上がってしまい、写真を撮っていたら、そんなおもしろい?と冷静に聞かれる。ごめん。自分の発想になくて。なにがおもろいかというと、この生活自体だと思う。

 

18.-----
いきなり寮の5人で修学旅行の夜みたいな時間がはじまる。枕投げのように交わす言葉。人の考え方に触れると、そこからこぼれ落ちたものばかりが気になってしまうわたしの癖。そう思わざるを得なかったのは、なぜか。なぜそんなに寂しい考えを選ぶのか。人の言葉を言葉のままに受け取ることはむずかしい。

 

19.-----
連勤の疲れをよそに、卓球大会に参加する。体育の授業以来か、温泉卓球以来か。ホームランしか決めたことがなく、場を乱さないか心配だったが、コツを教えてもらうとみるみる上達した。なんだ楽しいじゃないか!!運動部のごとく汗をかいた後のアイスが、とてつもなくおいしかった。

 

20.-----
かけた時間は自分への信頼になる、と思う。描き方こそ人生だ、と思う。
夕焼け鑑賞の帰り道、鈴虫のこえがきこえてきた。秋が、くる。

 

21.-----
朝、寮仲間の悲鳴で起きる。眠い目をこするまもなく、殺虫剤を構え3人がかりででかいムカデを退治。こんな一幕も思い出になるんだろうか、いや忘れるんだろうな、と思い、日記に書いている。

 

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