ブログに何度か登場しているうちの祖母。今月12日めでたく誕生日をむかえたので、お祝いに行ってきた。
87歳。やるなあ。
病室を訪れると、いつもの私のおばあちゃんがいた。寝巻きではなく、洋服を着ている。上下ちぐはくのチェック柄だが、87歳っぽくてとてもいい。年末に知り合いにお願いして髪の毛を切ってもらったのもあって、ずいぶん日常の姿に戻りつつある。そして、私の顔を見るとすぐに起き上がって靴を履いた。
歩行器は必要なものの、足取りはしっかりしているし、歩く分には大きな心配はなさそうだ。病室をでるときに、片手でカーテンをシャッとしめるところに、性格がでるなあと感心する。
談話室のテーブルで、持参したケーキを広げた。
ここはベタに、ケーキを前にハッピーバースデーを歌う。変な拍子で手を叩く祖母が可愛かった。ろうそくはつけられなかったが、ちゃんとろうそくを消すしぐさも忘れない。
1人分のケーキを半分に切って持っていった。これでも多いかな?と心配していたが、私よりも速いスピードで大口で食べた。何度も美味しいと言った。あと半分はさすがに食べなかったのは、正直安心した。
少し話をして、脳トレドリルを一緒にやることにした。リハビリになるかも、と父が買ってたものである。よくある"ボケ防止"みたいな、簡単な問題やパズルがならんでいる。
お金の計算問題や、言葉の並び替え問題は少々難しいようだったが(並び替えは私も頭を捻った)、療法士さんもリハビリに使ってくれているらしい。
一緒にやった問題がこれ。円の中にヒトマスずつ平仮名が書いてあって、1マスが空白。そこに入る文字はなに?という問題だ。どの文字から読みはじめるのかも考えないといけない。
(こういうの。答えは「ぶ」)
とても簡単だが、祖母にとってはヒントがあればなんとかできる、という難易度らしい。
ゆっくり読みながら、ゆっくり書く。ゆっくりではあるが、ちゃんとしたひらがなを書けていて、とても嬉しくなった。
おだのぶなが、のぐちひでよ。歴史上の人物がテーマだった。おそらく、出題者の想定回答時間の10倍くらいかけて、着実に解き進めた。
最後の問題は「?とこうもん」。
こうもん。こうもん。と何度も言うのがかわいそうなので、この?から始まるよ、とヒントをあげた。
考えた末、ああ、わかった。と書いた文字が「に」。
これは、どっちなんだ!脳の異常?後遺症なのか?いや、天然なのか?どっちなんだ!
「おばあちゃん、「に」でいい?「み」じゃない?」
と一応確認してみる。
「うん、にとこうもん。」
「ほんまに?みとこうもんじゃないの?」
「にとこうもん。」
絶対にゆずらない。そういえば、GODIVAのことをずっとドジバと呼んでいた祖母だ。これは天然だ。治らない。
ページの上に、100点とはなまるを書いて次の問題をやった。