人を動かすもの

友だちと遊んだ。ほぼあてのない散策。

お昼を食べようということで念願のカレー屋さんへ。売り切れ次第終了でなかなかタイミングがあわずだったお店、やっといけてうれしかった。

カレーは、姉妹店のステーキ屋の牛すじを煮込んだカレー。
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クセはないけどこくがあって、とろとろのお肉が入ってて、程よい辛さでおいしかった。

私がお店でいちばん気に入ったのは、カレーに添えるトッピングが5種類あったこと。福神漬け、らっきょう、奈良漬、レーズン、激辛ソース。あきないしわくわくした!
まずはカレーをそのまま食べてから、順番に少しずつ味見をして、ふむふむとグルメぶって食べる(笑)

初めて試したレーズンは、疑いながら食べたら予想外に美味しくてびっくりした。家のカレーでは合わないかもしれないけど、これなら合う!と思った。つい、友だちの話を遮って、これ美味しいよ!と言ってしまった。
そしたら「わたしは……いいや。」と断られてしまった。レーズン苦手か聞いたら、「酢豚のパイナップルが許せないタイプだから、多分好きになれない。」と。
なるほど、納得。そして、冷静だなと思った。別に私の味覚を否定するわけでもなく、友だちは素直に言っている気がしたので、押し付けることはしなかった。

でも、あとから、酢豚のパイナップルが嫌いでも、カレーのレーズンはいける人はいる気がして、もう少しプッシュしてみても良かったかなと思った。まあ、余計なお世話とも言うけれど。もし本当に口に合わなければ申し訳ないし、人にすすめるのは難しい!と思った。


そのあとは、気になるカフェに入ってみたり、
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周辺をぶらぶらしてみたり、内容のない会話をしながら歩いた。

小さなビルの奥におすすめの料理屋さんがあるということでビルに入ってみると、手前に雑貨屋さんがあった。
気になるとすぐに足が止まる私。店の前にある商品に手をのばしたところ、中からかわいらしいマダムが出てきた。どうやら常連さんらしく、店長さんと話こんでいたらしい。小さいお店なので店長さんとも目が合い会釈をしたところで、マダムがすかさず話しかけてきた。

「あらあら、お邪魔してごめんなさいね!さあさあ、入って!」と。
「あ、いえ~。」と少し後ずさると、

「ここの雑貨はかわいいからおすすめ!そんな遠くからじゃ、かわいいのがわからないわよ。こういうのは近くで見ないと!さあさあ。この店のお兄さんは、無理に買わせたりしないから大丈夫!!」
と、激プッシュされた。

物理的にも押されたので、お店の中を見せてもらうことにした。小さい店内に、小さな雑貨がぎゅっとつまっている。確かに、近くで見るとかわいいし、近くで見ないとわからない小さいものもたくさんあった。リボンやテープの柄なんて特にそうだった。小さい刺繍や細かい柄は、近くでじっくり見てこそというのは共感できる。

ただ、元々入る予定ではなかったし、半ば押し込まれたので(笑)、申し訳ないなと思いつつ何も買わずお店をでてしまった。でも、今後柄のリボンやテープが欲しくなったらここに来ようと思った。

わたしはまんまとのせられた結果よいお店を見つけ、店としては客予備軍をゲット。わたしが興味ありそうな友だちをつれていけば、また客をゲットだ。極々小規模であれ、口コミは広がる。
マダムのプッシュは、よいきっかけになったと思う。

押しが強いけど、かわいいマダムだった。無理やり押し込まれたわけだが(笑)、不思議と嫌な気はしなかった。自分に少し興味があったというのと、マダムもきっと本当に好きだから嫌味がなかったのだろう。しかも、この出来事がちょっとおもしろかったので、ハッピーになれた。
あんな風に人におすすめできるのはすてきだ。人の気持ちを動かすのは難しいし、行動にうつしてもらうのはもっと難しいから。強引だったから、誰にでもできるわざではないけれど、少しマダムを見習いたいと思った。

知るきっかけって、大事だと思う。きっかけ次第で、どんなに可能性が広がるかわからない。


知って欲しい、人にすすめたいものがたくさんある。自分以外の人も好きになってくれたらいいなと思うものが。欲深いのかな。しかも、ほとんどお節介だけど。
食べ物だって、音楽だって、小説だってなんだってそれぞれ好みがある。その好みを乗り越えられる普遍的な良いものなんてほとんどない。だとしても、まだ知られていないだけで、もっと評価されるべきものがあるのも事実だと思う。

どうすれば、人に興味をもってもらえて、どうすれば、行動に変えてもらえるのだろう。


押し付けたくもないから難しい。出会っていってほしいと願う。
きっと私は人のお節介を焼く前に、もっといろんなものを深く知る必要があるんだろうな。

もちろん、マーケティングの本だとか、心理学の本だとか、少しでもヒントを得る方法はたくさんあるはず。アクセスしてみようと思う。

ただ、データや言葉で表せないようなところで、人の心が動くという瞬間に、私はすごく興味がある気がした。

楽しい散策だった。