自動車学校と私

自動車免許をとって1年がたった!

 

私はずっと自動車学校に行くのを避けていた。いつだったか、車を買ってメンテナンスして買い直してというのを続けるより、生涯タクシーを呼び続けたほうが結果安くつく、ということを聞いて以来、じゃあ車いらなくね?と思っていたのだ。

というのは言い訳で、行かない本当の理由は怖くて仕方がなかったから。誰も聞いてこないのに、電車も苦ではないし、ちょうど自転車にもはまっていたから今は必要ない、と行かなくていい理由をたくさん用意していた。

 

そんな私だが昨年の1月、ほぼ毎日自動車学校に通っていた。

大学卒業してからの生活に疲れがでて、体がついていかなくなり、自分がやりたいことも見失い仕事をやめた頃だった。自分に効果音を与えるなら「チーン」、顔を絵に描くなら額に縦線書いたような表情で過ごしていたところ、見かねた父親に行ってきたら?と言われ「はい」としか言えなかった。勉強しろも就職しろも結婚しろも言わない父親が言うんだからもう行くしかないし、どう考えてもその時がベストタイミング。

 

その結果、モータースクールライフを存分に楽しんだ\(^o^)/

 

ほんと、自分はバカだと思う。笑 

確かに、初めのうちは怖くて怖くて仕方がなかった。

忘れもしない、実車教習の2日目。ハンドルの回し具合がわからず、カーブで壁に激突しそうになって怒られた。笑

「通って行く先を見とかなあかん!ちゃんと見据えないからそうなるんや!!」

うわ、わたしの人生……と思って、終わってからしばらく落ち込んだ。

だいたい計画なんてできないし、先のことなんてわからないじゃないか、と思って過ごしてきた。でも何事も先を見据えて動くに越したことはないだろう。自分は先を考えないから仕事もやめてこんなことになっているんじゃないか、カーブも曲がれないじゃないかと、落ち込むしかなかった。笑

でも、落ち込んでいても仕方ない。入ったからには卒業するしかない。その後は、予習復習しまくった。幸い優しい指導員が多く、なんとか気持ちが持った。

 

第一段階では、指導員はランダムで決まるのに、同じ人に5回くらいあたった。またコイツかよ、と思われていたかもしれないけど、すごく物腰の柔らかいおじいさんという感じの人で私には安心でしかなかった。

大学生も社会人もだいたい忙しいので、毎日暇を持て余して同じ時間に来るやつなんて少ないんだろう。顔を覚えてくれて、廊下でもいつも笑顔で「がんばっとるかー」と声をかけてくださった。おかげで学校で会うのが楽しみになっていた。第一段階最後の日もその方で、「試験、落ち着いて頑張りや」と言われてときは、泣きそうになった。もう教えてもらえないのが寂しくて。

 

無事、仮免試験に合格して、第二段階。

初日。学校内のコースを1、2週したところで、外行くでと言われ「え、もう行くんですか?」と聞いたら「じゃあいつ行くねん、こんなとこまわっとってもしゃあないやろ」と怒られた。笑 でも、さすがに毎日通っているので、怒られても凹まなくなったし、怒られることも減った。意外となんとかなるもんだ。めちゃくちゃほめてくれる指導員もいて、ホストかよ!単に気分いいだけのドライブやん!という日もあって楽しかった。

運転に慣れて来ると自分の成長を感じた。普段成長を感じることなんて少ないし、なんなら退化していると思っていたのでちょっと嬉しかった。

 

学科の授業も楽しかった。時間通りに教室に入って机に向かうのは、高校みたいで懐かしかったし、授業を受けてハンコをもらうシステムが、小学校の頃のワークをやったらもらえるシールみたいに嬉しくて。笑 多分、こんな単純なやついないだろうけど、わかりやすくていいと思う。 

学校以外でも、徒歩圏内で行けるパン屋を回ったり、授業の合間に散策をしたりして、周辺にもだいぶん詳しくなった。多分、 誰よりもスクールライフを楽しんでいたと

思う。

でも、どんどん慣れて楽しくなってきたところで終わるのが自動車学校ってものらしい。無事、卒業検定合格、免許取得。あっけなく卒業になった。

 

そういえば、スクールバスもあってそれがまた楽しい通学時間だった。私のように毎日乗る人も少なければ、たまたま私の地区から乗る人も少なく、マイクロバスだったのが、途中から7人乗りの乗用車になった。

「車、変わったんですね?」と確認して車に乗り込むと、見なれない若い方がくしゃくしゃになった地図を握りしめながら「初めてなんで、道間違えたらすみません」と言ってきて、この人に命を任せていいか非常に不安になった。でも、降りるわけにも行かず「が、頑張ってください。」と言ってしまい変な空気に。笑 道を聞かれながら帰ったが、それがきっかけでちょっとだけ仲良くなった。同い年の見習いさんで、当たり障りのない話しかしていないけど、楽しく帰れたのでありがたかったと思う。

ある日、今日が指導員試験なんです〜という話になって、聞けば3回目だという。難しいんですね〜なんて言いながら帰った。次の日、もし落ちてたらなんて声かけようかと思っていたら(失礼すぎる。笑)、無事合格していた。

以後、研修が始まったらしくスクールバスの運転手が変わった。その頃には私も残りわずかの日程で、結局ちゃんとあいさつできないまま卒業してしまったのは少し心残りだったなあ。

その人と話していると、同い年の人たちはこうやってステップアップしていくのかと、ちょっと焦った。自分もこのままではいかん!と思ったのを覚えている。

 

と、ここまで書いて、あれから1年が経っていることに驚きが隠せない。このままではいかんと思ってからも、結果私はマイペースすぎる日々を過ごしている。

この1年で、車の運転は上手くなった。県内ではあるけれど、いろんなところに行けるようになった。それは確実に言える。でも、そのほかはどうだろう。。1年前と同じように、このままではいかんと、言うしかないだろうなあ。

 

「初心者マークは卒業だけど、怒られないのであればまだつけていたい。いまだに車線変更が苦手。」本音はこれ。でも、こういう思考がよくないんだと思う。すぐ守りに入ってしまう。

「いつまでも子どものふりしない。苦手でもやる。」1年経った今の自分への言葉はこれ。