広島旅行記〜3日目編〜

新幹線の音が気になるなあと、うとうとしているうちに朝になっていた。
昨日の残りを食べて、温泉行って、チェックアウトギリギリまでゆっくりした。

今日の目的地は、宮島!目的は鹿としゃもじと食べ歩き。

広島駅から普通電車に揺られて宮島口駅についた。各駅に停まるゆったりとした電車の時間ほど旅って感じがする。

宮島へは宮島港から10分ほどフェリーに乗る。フェリーというのはこれまたテンションが上がる。乗客のほとんどがTHE観光客という感じがして、これまた旅感。

宮島に着いて、まず、鹿にご挨拶。

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見つめてみたけど、全然目が合わなかった。奈良の鹿だと考えられない。

商店街を歩く。早速しゃもじやら、もみじ饅頭やら、旅行客がそそられるものがたくさんある。お店がずっと連なっていて、観光客もたくさんいた。修学旅行生がこれまた観光地風情に明るい色をもたらしてくれる。
私は観光地が好きだ。何が好きかって、人が楽しそうにわいわいしている雰囲気に触れられること。一種の憧れみたいなものかもしれないけど、やっぱりキラキラしているように見えて、ええなあって思う。

しばらく歩いて、お焼きのお店へ。「どこからお越しですか?」と話しかけてくれたので「奈良です〜」と答えると、話題は自然と鹿に。第一印象から「宮島の鹿は穏やかなんですか?」と聞いてみたら、「今は餌をあげるのが禁止になってるからね」と教えてくれた。なるほど、人間に興味がないのはそれかな。
「奈良の鹿は迫力がありますよねえ」「あ〜そうですかねえ〜」という会話をした。一瞬謎の違和感があったけど、これはあれだ。うちの子が一番可愛い、ってお互い思ってるのに、相手の子ども褒めとく、みたいなやつ!鹿飼ってへんけど。

鹿の話に気を取られて「タレがこぼれるから気をつけてね」と言ってくれていたのを忘れていた。気付いたら服がベットベトになっていた。

その後、厳島神社へ。ここがテレビでよく見るとこや〜!と思うつもりが、めちゃくちゃ改修中。干潮やからこの風景。

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お参りして、せっかくなのでおみくじを引いてみた。39番。平。

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その後、大願寺へ。
日本三大弁財天が祀られているとのこと。お参りをして、護摩堂にあった不動明王の木像を眺めた。良い形と表情、いい迫力だった。
突然私の中のおみくじブームが来たので引いてみたら、今度は大吉。やったーと思った。

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焼きたてのもみじ饅頭を食べたり、揚げられたもみじ饅頭を食べたり、ご当地グルメのがんずを食べたり。どこのお店にも、暖かいお茶のサービスがあって感激した。

あてもなく歩いていると、ドーンといきなり現れた、大しゃもじ
もう少し人が集まっているものかと勝手に想像していたけど、とても空いていたので、早速記念撮影。ちゃんと比較用のしゃもじも持参した。

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だが、これでは大きさがなかなか伝わらない。どうしようかなーと悪戦苦闘していると、マダム3人組がやってきた。しゃもじを占領してはいかんとちょっと場所を移動すると、マダムたちは、反対側にあった五重塔をバッグに写真を撮り始めた。

あちらはあちらで、自撮りに悪戦苦闘中。これはさすがにと思って話しかけたら、お撮りしましょうか、撮ってもらえませんか、が同時くらいのタイミングで少し笑った。撮った写真を見て、喜んでもらえて嬉しかった。

さて、本題だ。とスマホを取り出すと、去りかけたマダムが戻ってきた。「よかったら写真撮りますよ。」と。

神…!!

スマホを渡して、おもむろにしゃもじを取り出し、しゃもじ前でノリノリでポーズ。

マダム「あ、いいのをお持ちで。」
私「はい!!」

ということで、写真を撮っていただいた。

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お礼を言って去ろうとすると、マダム「こっちも撮りますか?」と五重塔の方も撮ってくれた。

そこで私ははたと気付いた。
もしかしてマダムは、初めから五重塔をバックに撮ることを想定して話しかけてくれたのではないのか。すごく大人な対応をしてくださったけど、さっきしゃもじ前に行った時の一瞬の間、まんまるの目は、想定外だったからではないのか。
忘れていた。一般成人女性にとって、しゃもじとはただの調理道具。縁起物とはいえ、そんなに思い入れはないのか。大しゃもじ前で、みんなはしゃがないのか。カルチャーショックだった。

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気を取り直して、五重塔の方まで歩いて、豊国神社の千畳閣に入ってみた。
古い木造建築独特の趣きというか雰囲気というか、うまくいえないけど気持ちが落ち着く。高台にあって景色も良いし海が見えるし、でっかいしゃもじも奉納してあって、入る価値のある建物だった。

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せっかくなのでここでもおみくじ。しっかり振って39番。今日はサンキューに縁があるのかな、と思って引いてみると、さっき厳島神社で引いたおみくじとまったく一緒だった。びっくりした。「てめーの運勢はそれっていうとるやろ!」と神から怒られているかもと思った。欲張るな、ってことか。

 

おみくじブームが去って、帰り道。もみじ饅頭をお土産にしようと思ってお店入ると、バラ売りしていることに気付く。いろんな味のバリエーションがあることに気付く。そして、お店がありすぎることに気付く。ここで、空前のもみじ饅頭ブーム到来。お店ごとに推しているものと美味しそうなものを買って、山盛りのもみじ饅頭を抱えて、島をでた。

島はいい。とても好きだったことを思い出した。地続きじゃないけど、船に乗れば行けるところ。近くとも遠くとも感じる場所。気合を入れても入れなくても、島はそこにあるだけ。でも、行くと楽しい。ワクワクする。近づくと高まる、帰るときは少し寂しい。でもまた来ようと思う。その距離感。最近、好きなものとの距離感に悩んでいたけど、何かを掴んだように思った。そのことがとても嬉しかった。

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広島駅について、いろんな人が美味しいと言っていたご当地おにぎり弁当を買って新幹線へ。

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完璧だ。満たされた。もう何もいうことがない。

 

これにて完。