知らない人を褒める

 

初めて行ったパン屋さんの店員さんが素敵だった。

ただ「これとこれをください」と言って、お金を払って、パンを受け取った。「〇〇円です」「ありがとうございましたー!」お互い特別なことは喋っていない。でもそのほんの一瞬で、心が温まった。先に並んでいた親子への対応も素敵だったから余計に。声の色。受け渡しの間合い。作り物じゃない笑顔。全てが自然で、シンプルで、優しい。

テクニックだけじゃない人の良さって、何でできてるんだろうと思った。

パンもとても美味しかった。

 

 

めちゃくちゃ緊張しながら、歯科医院に電話をした。

「こんにちは!〇〇歯科です!」声が明るかった。対応も丁寧だった。助かった、と思った。
私はそもそも友だち以外との電話が苦手。しかも初めてのことでビビり倒していた。お医者さんは接客業じゃないから、もてなしは求めてはいけない。でも、患者さんを大切にしようとする気持ちが行動に現れているところは、信頼できる気がしている。

定期検診に行けるところを探していたから、ここに通おうと思った。

 

 

一度興味を持ったものは、飽きるまで食べ比べするという習性があって、今はプロテインバーにハマっている。

普段行かないスポーツ用品店に行ったら、見たことないプロテインバーが。2種類味があったので、両方レジに持って行くと、レジ前の値下げコーナーに味違いがあった。なので、計3つお会計。と、そこでちょっと迷う。今定価で買おうとしてたものも、値下げになっていたのだ。どうしよう。勇気を持って「こっちに替えてもいいですか?」というと、店員さん「どうぞどうぞ、むしろありがたいです!」とひとこと。

いい店員さんだ。基本店はロスを減らしたいものだけど、意識を持って働いている人がどれくらいいて、ありがたいです、と一言添えられる人が何人いるだろう。

ウィンウィンで買い物ができてよかった、と思った。(ちなみにそのプロテインバーめちゃくちゃまずかった。)

 

 

いつも行くスーパーで、軽くやらかした。

お会計してもらいながら考え事をしていて、お会計が終わった瞬間、大きい声で他の客が店員さんに話しかけたのにびっくりして、脳がショートしたらしい。

買った商品カゴを持たずに、レジを去ってしまった。

帰ろうとしたならすぐ気付いたはずが、店設置のウォーターサーバーに向かったので、意識がそっちに行っていた。何も疑うことなく、汲まれていく水をただただ眺めていた。ボトルが一杯になる頃、店員さんがそっと「お渡ししても大丈夫ですか?」とカゴを持ってきてくれたのだった。

「忘れてますよ!」ではなく「お渡ししても大丈夫ですか?」。私が悪いのに、そんな気を遣っていただいて。普通に恥ずかしかったけど、あなたの仕事に感動した。ありがとう。