走る

最近、走れなくなった。

走れるけれど、その後後悔する。息切れ、頭痛、めまい。どうやらまだ体調をくずしてからの完全な復活ができていないらしい。しぶといやつめ。

でも、これに関して心配はしていないし、人の心配もいらない。

 

そんなことより、考え方が変わった。

そもそも走らなくてよかったのでは、と思うようになった。

 

恥ずかしいのだけど、私が走るときというのは、だいたいが電車に乗り遅れそうになったときだ。

そして、だいたいそれは、毎日のことである。

この解決は簡単。5分早く家を出ればいいだけのこと。だから、走らないで済むようになった。なんで今までそれができなかったんだろう。

 

物理的なことだけではない。

私はいつも、いろんな物事に対して、もっとやらなければ、走るなら早く走らないといけない、頑張らなければいけない、と思い込んでいた。

どんなときもそう。逆に、それができていないと、走れない自分が悪い、置いていかれている、と思ってひとりで疲れていた。誰に言われたわけでもないのに。それが偉いと思っていたんだと思う。

そんな過ごし方で、できるようになったことは多少ある。でも、今なら思う。空回りしていた。余裕をなくしていた。本末転倒だった。その結果、人にまで価値観を押し付けそうになっていたことが、いちばん恥ずかしい。

 

これまでの、そうとしか生きれなかった自分を一旦認める。これからは、地に足をつけて、ゆっくりでも着実に歩く。そういう過ごし方をしたいと思っている。

 

うさぎとかめ、早くたどり着いたのはかめ。だけど、どっちが強いかって言えば、どちらも強くも弱くもない。いろんなタイプがいるというだけだ。

うさぎとかめのお話ように、ゴールは決まっていない。だから、いいのだ。自分の早さで。

 

いろんなことを思う。それを、おもしろく思う。これからに期待したい。