日々-19

 

とある7日間の日記。

 

5.-----

ポテトサラダは何を食べるためものか。と仕事中ぼんやり考えていた。シンプルに考えるとじゃがいもを食べるもの。ポテトのサラダなのだから。でも、じゃがいもをマヨネーズで和えた途端ポテトサラダになる気がしていて、そう考えたら、マヨネーズを食べるもののようにも思える。また、付け合わせとして添えてあることを思えばメインを食べるためのもの、あるいは、居酒屋の定番メニューとして考えればお酒のあて。まあ、なんでも、誰でもいろんな顔があるよね。と思いつつ。

今日私はコーンが食べたい。コーンをそのまま食べれば満足する。と思ったが、気付いたら芋を潰していた。潰した芋にコーンとマヨネーズ、コーンスープの素が残っていたので少し入れてみた。なんとなく、牛乳を入れてみたら入れすぎてべちゃっとなった。結果いまいちあわなかった。よく考えたら、ポテトサラダにおけるコーンの立ち位置といえば、一般的に具となることの多いミックスベジタブルのうちの1人で、普段は芋を陰で支える存在だ。だから、それがでしゃばってはいけないのだろうか。考えものである。

 

6.-----

自論だが、卵焼きほど終わりよければ全てよし、な料理はないと思っている。最初の巻初めがぐちゃぐちゃでも、最後の一巻きが整っていれば、形がなんとなくできてしまう。私は卵焼きを巻くのが好き。毎回味違うし、一向に美味しい出来がわからないのだけど、巻くのが好き。あと、卵焼きはじっこが好き。はしっこより、はじっこ、って言う方が端感が増して好き。

 

7.-----

ポテトサラダを作るときは調べないと書いたけど、基本は知りたいし歴史はたどりたい。先人の知恵を借りる。巨人の肩の上に立つは大事。なぜなら、独りよがりになってしまうから。基礎を知らずでもなんとなく形になるが、独りよがりになりすぎると、これこそがポテトサラダなんだ!と言いながらカレーを出してしまうかもしれない。極端な例とはいえ、見えるものだから変だと気付けるけど、目に見えないものだと、結構、おかしなことに気づけないこと多いんじゃないかと最近思う。型があるから型破りがある。破調がある。といいつつ、今日はカレー味のポテトサラダ。材料は、じゃがいも、ハム、コーン、マヨネーズ、尾道で浮かれて買ったお洒落なカレー粉。とても美味しい。

 

8.-----

人に、シンプルに見えて実は凝ってるみたいな服いつも着てるよね、と言われて、なるほど!と思った。シンプルに聴こえるけど実は計算され尽くされているとか、何もしてないように見えてきちんと調理されているとか、石を置いているだけに見えて泣けてしまうとか。どうなってるんだろうと思う。やりたいと思っても、シンプルに見えているだけだから、表面的に真似してもできるわけがない。ただただ、こちら側からは見えない鍛錬。

帰りに図書館へダッシュ。間に合った。手当たり次第立ち読み、ほしい情報を借りてやる気満々だが、もう体力は残っていない。おやすみ、また明日。

 

9.-----

ポテトサラダにはとっくに飽きてる。そもそもそんなに好きでもない。でも、何事も冷めてからが本番だと思っている。好きなこともそうでないことも、なにかを始めるのは簡単だけど、続けるのは難しい。それに、好きじゃないものを好きになることはそう多くない。好きなものは勝手に好きだし、好きじゃないものには興味がない。好きに限度はあるのだろうか。いつ人は飽きるのか、とか。

みうらじゅん氏が無駄な努力の話をしていたのを思い出す。”好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まってきたから好きになる”から、自分を洗脳していくんだという話。これは、ブームを作ることに関する戦略の話だったけれど、その考え方でいくと、方向性として間違っていないのかもしれないと思う。”ポテトサラダが好きだから作るのではなく、作りまくって食べまくったから好きになる”と。(……方向性?どこに向かってる?)

 

10.-----

帰って床と一体化した後むくりとおきて、そういえばお腹が空いているはずと思い、冷蔵庫を開けて目の合った梅干しを取り出し、ポテトサラダにすることにした。梅には鰹でしょう、ということで、三重で買った"イセ野カツオ"といういかにも土産物ネーミングセンスの光るおつまみ菓子(ほぼおかずの味でなんらかの料理で消費しようと決めていた)をいれた。よくマッチした。これはごはんのお供として食べられるポテトサラダだ。ちなみに、料理に梅干しを入れるときは、種は取り除かないというこだわりがある。なぜなら、種は当たりという設定だから。フランス菓子でいうフェーブ。

 

11.-----

もう動けない。なんもできない。と思っていたのに、産直市場に来てしまった。産直は元気が出るから好き。目当ては芋とインスピレーション。皮が赤いじゃがいも、アンデスレッドが売っていた。うれしい。

目に入ったカレー屋さんに入ってみたら、予告なく出てきたサラダに感動した。野菜が美味しい。真ん中にポテトサラダがちょこんと座っていて、七福神の絵を想像した。元気がでた。

今日はポテトサラダに蕾菜という初めて見た野菜とプチトマトを混ぜることにした。あと胡椒多め。蕾菜は苦みが春の山菜っぽくて良い。アンデスレッド、味が濃くて美味しい!やっぱりポテトサラダは芋を食べるものか。美味しい。ごちそうさまでした。

 

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