日々-33

 

とある7日間の日記。

 

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朝、ついにご対面。足の多い虫。悲鳴もそこそこに、各階常備の氷殺ジェットを構える。スッ…………中身切れとるやないか!!慌てて、新しいのを取りに行き格闘。格闘と葛藤。わたしの都合でこんなに苦しませてすまない。

気を取り直して、出かけようと港まで行くと、「今日はこの時間の便ないんです」と。ああああ!やってしまった!朝から2大島の洗礼を受けるも、なにもいやな気はしない。ここで暮らすとはそういうことだ。

 

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てなわけで、昨日から愛媛県は松山にやってきた。いつも旅情報はほぼ現地調達と決めているので、その場その場で行きたいところへ。市電にゆられてまちを巡るのもいい。

これまでどこかに行きたいと思うときは少々思い詰めていたことに気付く。それはそれで楽しいけれど、フラットにものが見れなくなる。今回はなんだか、たのしい社会見学のような気持ちだった。久々にザ・観光地な場所に来て、お土産まで買ってしまい、そうだ今度は誰かと来ようと思った自分に驚いた。

 

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島に来たばかりだが、この先ほぼないという連休。やりたいことがあって、一度関西に戻ってきた。思っていたより近い。乗り換えやなんだかんだでそれなりに時間はかかるけど、時間をかけたらたどり着ける場所は遠くない、の法則で生きているので、それに則ると近い。行きたかった展覧会にも行けて満足。しかしなんだか時間の流れ方が違う気がする。やはり島にいるわたしは夢を見ているんだろうか。

 

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忘れていた休息をとり、家の荷物をまとめ、日用品を買いに近くへ買い物。ここは、ものがたくさん売っている。あったらいいな、なくてもいいか、これは必要、これは贅沢、なんて境界線を行ったり来たり。新たな生活をする体験は、もともとあった感覚を揺さぶってくる。わたしはこれを求めていた。結局帰るところは自分のこころだけだから、どこに行ってもわたしは楽しい。

 

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清々しい朝。家をでても家がある安心感。島に帰ってきた。玄関開けると早速蜘蛛の巣。台所には当たり前ゴキブリ。トイレにはどこから来たん?の羽蟻群。期待を裏切らなさすぎて最高だ。出会って2週間、たった4日ぶりに会う寮メンバーとも顔を合わせて安心する。冷静に考えればよく知らない人なのに。

ふと、わたしは旅は好きだが、移動はあまり好きではないのかもと思う。仮に移動が苦でないものを旅と呼ぶなら、わたしの旅の目的は、会いたい人に会うこと。かなわなかった予定は、また今度。

 

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気になっていたお店にお邪魔することができた。こだわりを感じる空間、しずかにとがっている。次はじっくり来よう。島の時間はゆったりとしているけれど、なんとなくのゆるさではなく、意志を持ったゆるやかさを感じる。この正体を、いつかわかるのだろうか。わかるものでもないのだろうか。

疲れを感じたから、ゆっくりしようと思っていたのに、夕陽がきれいでつい長めの散歩をしてしまい、そしてやっぱり回復した。

 

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職場による勉強会。久々に大学生のいちにちみたいな、普段使わない脳の部分を使って、いい疲れ。はじめて知ることはいつでも刺激的だし、はじめてみる景色にはいつでも感動する。

最初に感じたことは、それはそれとして持っておいて、焦らず、わかった気にはならず、ゆっくり深めていきたい気持ち。つかめるものはほんのわずかでも、わたしがみたものはわたしのものとして次の場所へ持っていく。

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